随筆 24

どんな存在も、一言で言い表すことができない。

それを決めてしまおうとするから、哀しみがうまれるのかもしれない……

ある面では強くある面では弱い

自然の良さと厳しさ

科学の良さと憂い

システムの利便性と支配

私だって日本全般の考え方は好きじゃないけど、個人個人は好きだったりする。

二元的に考えて当てはまることもあるけれど、複雑に絡み合って、自分という一個体の中でも、同時に両方を持ち合わせていることもある。

光と闇

愛と憎しみ

生命力を漲らせる一方で生命を終えたい欲求もある

矛盾、という一言がピッタリくるのが、全体なのかもしれない。

矛盾していることが、一番バランスのいい状態なのかもしれない。

完全に形を整えようとしても、そうすればそうするほどに、違った方向に行くのではないか。

多数の人が苦しんでいるのは、矛盾を素直に認めないことなのではないか。

古代、恵みというものは、生まれ落ちた地の周りにあった他生物だったと思う。

ある土地で「ニンゲン」に良い効果を生むからといって、環境の異なる別の地でそれが同様に「ニンゲン」に作用するとは限らない。

日本人が食べてきたもので培われた、細胞質や、神経伝達物質。当然日本人だけの体質というのがあるだろうし、腸内細菌や皮膚の常在菌も他地域とは異なるだろう。

その地の生物は、その地の他生物と共生できるように生まれているはずで、だから環境が変化すれば生き物も変化するのだろう。

いまや、熱帯と化した日本ゆえに、熱帯のものを欲するのは自然で、日本にないフルーツを好むのもそういうわけかもしれない。植生が急激に変化するわけではないから、淘汰と進化が追いついていないのかもしれない。

刻一刻と世界は変化している。環境も、ニンゲンの境界も、何もかもが複雑に入り混じって、もはや、国境や言語では線引きできない状態になっているのではないだろうか。

一個体の自分を観察しても、これだけ矛盾を孕んでいるのだから、その全体としてあるニンゲンも、地球も、宇宙も、きっと矛盾だらけなのかもしれないと想像してみる。

そうしてみんな、自己矛盾や他者の矛盾をもっと受け容れたなら、今よりもっと愛し合えるのではないかと思った。

矛盾を愛したら素晴らしい世界を構築できるのかもしれない。

自分からそれを試してみないといけないな。

 

 

 

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