日本人が一人年平均5㎏摂取する油とは

インスタントラーメン、スナック菓子、チョコレート、洗剤、化粧品、外食産業の揚げ油、冷凍食品のフライもの、塗料、ろうそく、燃料など・・・・

世界でもっとも多く生産されている植物油だそうです。

食品の裏側のあの表示に「植物油脂」と書かれているだけなのでわかりませんが、その油とは

パーム油なのです。

パーム油とは

アブラヤシの実からとれる植物油でココナツオイルとは異なります。

マレーシアやインドネシアで大規模なプランテーションが行われていて、生産量は全体の85%を占めるそうです。 

2015年の日本人の平均消費量は5㎏ 66万トンが食用に輸入されているようです。

参考;パーム油について(ボルネオ保全トラスト・ジャパン)

 

熱帯雨林
パーム油と関連する熱帯雨林といえばボルネオなのですが、NPO地球環境大学という市民大学に通っていた頃、代表の教授がそのなかで企画したツアーにボルネオの研修がありました。子どもが小さくて欠席したのは残念でした。

森林について専門の方で、原生林のすばらしさをいつも語っていました。

以下、ボルネオ保全トラストジャパンより抜粋

地球上の動物や植物は約175万種で、まだ見つかっていない生物も含めると3,000万種にもなるという学説もあります。このうち50%以上の生物は、地表のわずか7%を占めるにすぎない熱帯雨林に生息しています。

ボルネオ島では200種類以上の哺乳類、260種類の両生類や爬虫類、600種類を超える鳥類、調査のたびに新種が見つかるほど種類の多い昆虫が生息しているほか、15,000種類もの植物が確認されています。

樹木は光合成を行い、葉が繁り、花が咲き、果実が実ります。花や果実を求めて昆虫や鳥類、哺乳類などたくさんの生物が熱帯雨林で暮らしており、豊かないのちが育まれています。

動物たち

破壊されていく東南アジアの熱帯雨林と動物について書かれた英語の記事があります。 ―以下抜粋ー

それは夜遅くのことでした。空は暗く、犬が遠吠えをしていました。ボルネオ島のインドネシア側、BOS ニャル・メンテン・オランウータン・レスキューセンターへ、腕に小さなある包みを抱いたレスキューワーカーが駆け込んできました。

「おなかに抱かれ、母親の長く伸びた毛にしがみつくオランウータンのこどもは握力がとてもつよく、母親から離れることはありません。しかしそのこどもの腕は切られていた。まるで母親から引き離されたようでした。」

救助隊は言うには、この母子は彼らが住処としていた森がパーム油プランテーション開拓のために破壊され、森から追い出されたのではないか、とのことでした。飢え、困惑し、木に登ることも出来ないほどに衰弱した母親は、食料を探して森林を地面伝いに歩いていたところ人間に殺され、こどもは傷つけられたのでした。

オランウータンのこどもは救助された後、スワヒリ語で「困難な時代に生まれたこども」を意味する「ケシ」と名づけられました。その名前は今日に生きる多くのオランウータンにあてはまります。

ケシが救出された2006年以降、推定1500個体のオランウータンがパーム油プランテーションを歩いていたというだけの理由で殺されています。数千個体以上がパーム油プランテーション開拓のために進行する森林破壊によって死亡してきました。

比較的安価で他の植物油と比べて効率的に生産でき、非常に多方面への使用が可能な植物油であることから、近年パーム油は消費財の半数に利用されています。

パーム油の消費は1990年以降世界中で5倍に増加しました。一番の消費国は中国やインド、またヨーロッパ諸国ですが、パーム油の需要は世界中で高まっています。その需要は2030年までに2倍、また2050年までに3倍にも拡大するだろうと推測されています。~中略~

救助されてから約10年が過ぎた今日、ケシは元気に成長しています。

「彼女は強く、腕を失くしたのに何でも出来る良い子です。『手が片方しかない』と考えるよりも『4本の手の代わりに3本の手を持つ』と考えるケシが好きなのです。オランウータンは並外れた生きる意志を持っています。彼らは非常に困難な状況下でも生き抜いていくのです。

消費者として

洗剤や石鹸にもたくさん使われている油。そのかわりとして、昔は植物の灰の灰汁、コメのとぎ汁などが使われていて、ハーブではサポニンを含むものが使えます。ソープワートなどは博物館の生地のシミを落としたりする場合に現在も使用すると聞いたことがあります。二年ほど私も育ててみて洗濯に使ってみたことはあります。泡はさほどたちませんが、手洗いでさほど汚れていないものであれば充分かもしれません。

 

何が正しくて何が間違いとは言えないことが世界には溢れています。 でもこのパーム油をニンゲンたちが消費し続けることで、そこにいる動物を邪魔だからと殺戮することとを正当化してはいけないと思うのです。

何かが助かれば何かが死んでいきま。動物をすべて延命させるという人工的な行為がベストだとは思いませんが、ニンゲンに意味もなく殺される多種多様な生命を想うとき、かつて保たれていた地球のバランスを人間が崩していっているのかもしれないということは否めません。

そうなると私たちの知る美しい地球は、子孫の生きる世界では大きく変容していることも考えられ、私たちはそれを覚悟で過ぎた欲望を持ち続けるべきなのだと思います。

これはパーム油に限ったことではなく、ニンゲンの過ぎた欲望の裏で動物だけでなく、多くのニンゲンや生命が、食べるためや生きるためではない理由で殺されていきます。

いつかそれらはきな代償となって、自分達の子孫に還るでしょう。

しかしながら、自分さえよければいいということさえ、もしかしたらニンゲンの本質で、地球上の生命との共存をはかる尊敬すべき先住民のようなニンゲンは、私たちとは異なる種であるのかもしれません。彼らが進化したニンゲンで、私たちが脳が退化してしまったニンゲンなのかもしれないと考える今日この頃です。

オランウータンのアミ―(森井啓二さんのブログ)

 

 

 

 

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