昨日娘が高校で従事してる豚舎に、有名私立大学の農学部の学生が研修に来たらしい。
娘が仕事を教えるように指示されて、その対応を任されたらしいが、中に入るのも躊躇、ゴキブリ殺すのも躊躇。(ドブ掃除をすると100匹以上出てくるときもあり、いつも女の子たちが殺すらしい)
35名ほどいたらしいが、みんなで仕事の譲り合いをしていたとか(笑)
30キロの餌袋を一日に100袋積み上げたり、糞を一輪でタンクまで何度も運び、大きな豚を、全体重をかけて、自分が圧死しないよう板を盾のように持って移動させることもある娘は、かなりの体力を使ってるので、一年目の昨年よりずっと力も強くなり、食べることとの割りきりをスパッとしている。
出荷のときに、多少の悲しさはあるが、半分に切られて戻ってくる豚肉の解体はすすんでやってる。
大学生たちが
「出荷なんて·····」
と言うので
「いや、でも皆さんも豚肉食べてるんでしょ?」
とあっさり返したら
「確かにそうだけど。」
そうは言っても、毎日豚の可愛さばかり話してる娘を見ていると、生きることは殺すことという体験をまさに、自らの手でやっているようなもので、時に動画でスタンガンで豚を移動させようとする屠殺場面を見て
「スタンガンでは余計にしびれて豚が動けなくなる、しんどいし、板で普通に押していけばいいものを」
と話す。
「自分達が仕事で家畜を殺すことにストレスがたまるからって、楽に殺してあげればいいものを、牛や豚にひどいことして当たるな」
と言って大人たちに怒る。
娘も初期は、イライラしてる様子がみてとれた。可愛がっている豚が、骨盤を他の豚に踏まれて急に出荷されたり、つまり殺されたり、子豚にワクチンをうつときに、母豚たちが一斉に暴れる姿を見たりなどして、彼らの気持ちを汲み取り、自分の心とのバランスをとるのが難しかったようだ。
しかしいまは言う。
「豚肉、食べた瞬間に割りきったよ」
帰路につくとき、電車で動物臭いと言われてももう平気みたいだ。なるべく端に座るらしいけれど。
次男もアフリカで農業をしながらキツい生活を送っているが、何より一番下の娘がこんな風になったことは頼もしい。
見た目は細いけど、瓶の蓋は、旦那ではなく娘が開けてくれるようになった。
娘は生まれたときから物事を冷静に判断するタイプだが、さらに強くなったように思う。
次男が帰国したら、農業の話でかなり盛り上がるだろう。
こんなことをするなんて思いもよらなかったけれど、小学校の低学年時から動物に関わることをやりたいと言っていた。
結果的に現在は養豚をやっている。
長男も次男も本人たちが望んだ道に進んでいるから、うちの子は絶対にやりたくない仕事はしないということだけはわかってる。
なので、母としては何も口出しせずとも安心で、同時に我が子を支えてくれる関係者各位に心から感謝している。
今後も、誰赤の創ったお話に洗脳されず、真の生きる力を身に着けてほしいと願う。
今日も皆さんありがとう。