恋愛は見ず知らずの他人との人間関係の構築なので、そこから学ぶことはとても大きいと思います。
二度目の結婚
離婚した後、急に一回り程年下の若い子たちにモテ始めました。離婚も子どものことも何も隠していなかったので、時代は変わったのだと驚きました。
一度目の結婚の頃はやたら年上にモテました。
「愛人になってほしい」
という誘いは高校生の頃特に多かったように思います。
そういう妻帯者の発言を聞いていたので男性を信用できなかったし、結婚に夢はなかったのだと思います。
再婚もするとは思っていませんでした。
当時はまだ周囲も離婚に冷ややかで、この頃を境に人間関係が大きく変わりました。
10年間私の離婚を待っていたという同級生もいたそうですが、私がそれを聞いた頃に、彼は既にほかの女性と結婚したところでした。
まさか10年も待っていた人が居たとは驚きでした。
友人伝手に聞いたのですが、大切なことは本人に直接言うべきですね。
二度目の結婚相手と出会ったのは、彼が19歳の頃です。年齢の割に遊び人で辟易しました(笑)
できれば最期まで一緒にいたい相手だったのでいろいろ努力しました。
今度こそきちんと好きな人と結婚をしようと思いました。
三年近くの同棲生活を経て、娘を妊娠したと同時に結婚しました。
娘が生まれなければ『結婚』という形に拘ることはなかったと思います。
彼は財産と家族を棄てて私と結婚しました。この件に関してはとても長くなるのでここでは省略します。
17年一緒にいた相手でした。当初大反対した義父母も、ずっとお付き合いは継続しています。
離婚前から順を追って義父母にも話をしてきたのでいろいろ理解してくれているのだと思います。
彼との生活はニンゲンの本質を見極めるための修行だったように思います。
「これは修行なんだ」
と思いながら、数々の困難を乗り切りました(笑)
「お前の忍耐力は人の二万倍」
「どんな女と付き合ってもお前みたいな変な奴はいない」
女性関係の多い人だったので、そこに信憑性はあって、自分では普通だと思っていたことがそうではないのだと何となく理解したのもその頃です。
彼との生活では、本当にたくさんの気づきと学びがありました。
物事に善悪はないこと、人は変わらないこと、変えようというのは傲慢であることに気づいたのは大きかったと思います。
どうしても合わないことがあるのに、当時の私は彼が変わることを望んでいたし、彼も私が変わることを望みました。
いつも平行線で、お互いに嫌いではないけど、やはり一緒にはいたくなかったのです。
娘はそれを小さい頃からわかっていたようで
「一緒にいたらしんどいから離婚したほうがいい」
と何度も私に言いました。
結果的に互いに自由になるため、時期を決めて何の取り決めもせずに離婚しました。信頼関係だけでそうしました。
「俺を自由にしてくれてありがとう」と離婚後にきいた時は、彼は幸せなのだなと思いました。
娘が親子を越えた目線を持ち合わせていたので、そのおかげでお互いに自分の道を歩けているようなものです。
いまはお互いの家族も交じって食事までできる、大きな家族になりました。
世間から見れば不思議な関係です。
事実は小説より奇なり
二度目の結婚のあとに出会った彼とは美しい純愛でした。
出逢った瞬間、瞳と瞳が何かで繋がったような、不思議なものを覚えました。
でも20以上も年下だったので、勘違いだと自分に言い聞かせていました。
今でもその瞬間を忘れません。
彼とは言葉がなくても会話ができるような、黙っていても空気で互いに察知するような、ずっと前から一緒にいたようなそんな関係でした。
今日一日が終わることがあんなに辛いと思ったのは初めてでした。
「こんなに信頼できる人と初めて会った」
と彼は言いました。
でもお互い結婚はしないということを直感でわかっていたと思います。
出会ったのは私がまだ離婚する前で、何も始められませんでした。
何もせずにただ6時間手を繋いでいたことがあります。
忍耐力は私に負けず劣らず強い人でした。
長男の事故があって疎遠になりました。
でも離婚してからまた会うようになりました。
一度二人で朝まで一緒にいたことがあります。
ある日娘とジュースを飲んでいて、ふと携帯電話をみると、ロックをかけているにも関わらず、彼の電話番号の発信画面になっていたのです。
娘に電話しろといわれ、おそるおそる電話をすると他府県にいる彼が大阪まで来ると言ったのです。
一連の流れが怖かったのを覚えています。
その日が出逢ってちょうど三年目であることを、あとから気づきました。
でもなぜか、そこでもどうしても始めることはできませんでした。
朝まで話だけして別れました。
迷い続けました。
多分お互いに。
彼にはその時交際相手がいたし、学生でしたから。
二人の間には空気の対流があり、精神的な一体感もある。でも何かが違う。
この『違和感』を私は棄てられませんでした。
彼も彼女と別れることはありませんでした。
その後、3度目の夫になる人が現れました。
彼と同い年でした。
必要なら現れる。必要なければ現れないと思い、仕事をしていました。
天命に任せようと何も考えず、淡々と暮らしていました。
好きであることと天命とは少し違うように思います。
離婚した翌年、3番目の夫になる人と交際し始めたのですが、皮肉なことにそこからこの彼とは今まで以上に深く話ができる相手になっていったのです。
彼とは友人になりたいけど決してなれないし、22歳の年齢差も感じたことはありません。
誰かとの出会いは決してなかったことはできません。
「来世で結婚しよう」というと「来世でね」と彼も答えました。
でも私も彼も来世などないと想いながら言葉を交わしていたと思います。
彼がくれた言葉はすべて私の宝です。
男女としての関係を持たなかったため、余計に魂と魂の繋がりが強かったように思います。
運命ってあるのだと思いました。
好きでも一緒にはいられない相手っているのだと思います。
彼とは出会った頃にある約束をしています。
彼もそれを忘れていないと思います。
たとえどこにいても会うことがなくても私は彼をずっと好きなままです。
恋愛相手を悪く言って別れる人がいるけれど、私は一度好きになった人を嫌いになることはありません。
強いて言うならそれよりも大切な人が現れるだけのことでしょうか。
システムはニンゲンの創ったお話であるともちろん分かっています。
裁判などをしなかったのはそのためです。
それでもまさか自分が三回も結婚することになるとは思いませんでした。
理想を言えば、心から愛し合える一人の相手と死ぬまで一緒にいたかったと思います。
でもその相手が22歳も下なんですから、この人生でないと出会えませんでした。
つまりは運命です。
良い恋愛でした。
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