コニーサンは、私と生きたあの2年、いちいち自分のやることに意味をつけていたようには見えなかった。
リンは2年7ヶ月、産まれたときからずっと一緒にいたけど、全身にガンが出来ても意味を考えているようには見えなかった。
コロンは半年も狭い虫かごで隠れる場所もなく寝る場所もなく走ることすらできない、さすがニンゲンの考えること、金のためだけに生かされる劣悪な環境で閉じ込められ、奴隷のような扱いを受けていた。けれど後の2年1ヶ月、与えたられた小さな自分の城に満足して、あの頃のように出して出してと訴えているようには見えなかった。
40羽の雀たちが毎日ベランダに来ていた。目の前の餌を食べずにじっと待つ序列の下位の雀たちがいた。彼らは毎日何を思っていたのだろう。
ヤサワで出会ったコモンマイナたちや、この村にいる鳥たちは遊ぶ姿は見ても滅多に争う声を聞かない。街に生きるマイナや雀はいつも喧嘩しているようだった。
地球の上の生物たちは、生きるための水や食べ物が普通にあれば、多分、必要以上に争わない。食べすぎる必要もない。
序列の上位が食べ物を独占したとしても、ニンゲンほどバカな量をそうはしないだろう。
彼らはニンゲンのように貪欲でなく、いちいち意味をつけず、明日生きるために腹が膨れればそれで良しという、シンプルな生き方をしているのではないだろうか。
もちろん、生物すべてを知っているわけではないし、もしかしたら、遊びや支配欲のために他種を大量虐殺したり、閉じ込めて虐待する生き物がニンゲン以外にいるのかもしれない。
どちらにしろ、良いところを探そうとしても、やはりニンゲンはとても意地悪で醜い。
食うために働くと言いながら、鬱になるのなら、自分で食うものを作れば解決だし、たくさんのお金を独占しても、それに価値がないと民が定義すれば、単なる紙切れで、独占したニンゲンは、自分で何もできず紙切れだけを持って叫んでいる世界になるだろう。
生き物としてはとても弱い。
価値など、意味づけ一つでどうとでもなる。なんの価値もないものを、支配という遊びのために使うニンゲンがいて、まんまと自分は奴隷だ、仕方がないのだ、苦しいのだと思い込んでいるニンゲンもいる。
こんな、へんてこりんな意味づけをして、命まで脅かされるのはニンゲンくらいかもしれない。ただ、本来なら弱肉強食で、生き残る予定でなかった類まで生き残れたのは、間違いなく誰かの作ったシステムのおかげだろう。
狩猟採集さえできないニンゲンが、自分を優位に見せるために今も必死で自己正当化するお話を創り上げている。
なんとも言えない。
栄華を極めたものは衰退する
先住民が栄華を極めたニンゲンだとして、そこからこのような世界に向かった我々は知能が退化していってるようにもみえる。
かくいう私や血族も皆、誰かの創ったたお話の中で生きている。
ただでさえニンゲンが地球上で一番バカだと思っているのに、虚構を創る才能をそんなことにしか使えないとしたならとても残念だ。
三人も子を産んだし、どんなお話を聞いても面白いものがないので、ただ懸命に生きているカメムシや蚊やシェリーを見つめて、何も考えずに淡々と生きて逝きたい。
すべては無意味。
すべては個人の創作したファンタジー。
だからどこにも正誤も優劣もない。
真実は虚無 リアルはファンタジー
今日も皆さんありがとう。
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