小さな布から創るもの

一般的には『ゴミ』として、棄てられるであろう3センチ角ほどの布切れ。

そういうものを何年も前から箱の中に溜めてあります。

他人から見れば、何がよいのかわからないだろうけれど、私にとっては思い出の布だったり、もう二度と手に入らない貴重な布です。

 

その『ゴミ』を集めて(笑)配色して作りました。

昔なら半日で完成したのに、現在は畑仕事やら家電の殆どないアナログな家事、往復8キロ以上の自転車での買い物、動物たち9体の早朝から晩までの世話で時間が取れず、一週間弱かかりました。

パッチワークを始めた時の目的に添って、裏地は不要な布。

枕カバーが破けたので、綺麗な部分だけを使いました。

 

クッションなどは、不要になったカッターシャツの前身ごろを裏側に使い、ファスナー付けやボタン付けを省いています。

四角繋ぎは基本中の基本ですが、シンプルであるがゆえに個性が出るパターンです。

展示会に出したり、雑誌のオファーに応える時には、見ごたえのあるパターンや複雑なデザインにする場合もありましたが、始めたきっかけが自給自足のためのスキルを身に付けることでもあり、今は原点に立ち返り、持続可能な暮らしの一部としてのキルトを創っていきたいと思っています。

ですから製作はもっぱら実用品ばかりで、使わずに大事に取っておくようなことはせず、擦り切れるまで使い倒しています(笑)

 

2メートル大のキルトは炬燵カバーやベッドカバー(つまり布団)として使用するため、洗濯も頻繁で破れも色落ちも激しいし、トラプントを施したお気に入りのバラのキルトはまるでアンティークキルトのようにボロボロです(笑)

それでも手放せないのは、1年以上かけて仕上げたからでしょうか。

クッションなどは年中作り替えなくてはならないくらい傷みますし、鍋つかみなども熱で焼けこげていたりします。

いまや100均で買うこともできるようなものを、わざわざ手縫いで時間をかけて作るなんて……

と時々思ったりしますが、自分の世界を自分で創る過程の一環のようなものなのです。

 

常にデザインだけはたくさん浮かんでいるのに、製作時間がまったくないという状態で、なんとか自分のための時間を一日数時間確保できれば嬉しいのですが。

キルトのためだけでなく、クリエイティビティな時間は私にとっての天国でもあり、自由でもあり、唯一無二の世界創りに必要です。

 

理解してくれる人が近しい人にいないのが長年にわたるストレスの元凶です(笑)

でも、着々と準備はしています。

今年は、創作の場所を確立していきます。

 

今日も皆さんありがとう。

 

 

 

 

 

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