勇者と卑怯者

人それぞれ、自分に出せる力というものがあります。

それが知性であれ、腕力であれ、その力は何かに対して働きかけることができます。

 

あるカップルの相談に乗ったことがあります。

彼が彼女を殴っていました。

殴る男は相手が悪い、殴られる女は自分が悪いという依存関係。

身長も高く体重もかなりある男が、自分の半分くらいの体重の女を殴るのですから、大けがをして当たり前。

でも、別れたくないのなら……

 

その男に言いました。

「君が彼女を殴るとき、必ず自分が勝つことはわかってるよね?」

「はい」

「あのね、君の力を100としよう。

その力を、自分より弱いと分かってるものに使うやつを卑怯者と呼ぶのよ。

もしその100の力を逆の方向、つまり弱いものを守るために使ったら勇者になるのよ。

君は卑怯者として生きたいの?」

って。

彼は卑怯者として生きるのは嫌だと言いました。

その日から暴力はおさまりました。

 

そこからもう5年ほど経ったでしょうか。

先日その彼と会う機会がありました。

その時の彼女とは別れてしまいましたが、その後4年お付き合いして一緒に住んでいる彼女がいるそうです。

一度も暴力をふるったことはないと言います。

またあり余った力は、高齢者の方々のお世話に使っているようです。

彼は勇者になりました。

仕事も功績を買われ、次期幹部にまでなっていました。

 

知性も同じです。

誰かを貶めるために使うなら卑怯者です。

でも誰かを助けるために使えば勇者です。

 

誰でも今から勇者になれます。

このゲームをクリアするためには卑怯者では無理です。

勇者しかクリアできないのがゲームの王道ですね。

 

今日も皆さんありがとう。

 

 

 

 

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