風のように

何かをしなくてはいけない……

人より劣ってはいけない……

誰かに勝たなくてはいけない……

そうやって、いつも誰かと闘うこの国が好きではありません。

かつて訪れたあの場所は、時間に追われることもなく、子供からお年寄りに至るまで笑顔の人がたくさんいました。

本人たちも多分気づいていないその幸福の源は、豊かな土壌と美しい空と澄んだ水なのだと感じました。

先進国民は彼らにわざわざ何かを教えてはいけない、そう思いました。なぜなら彼らの瞳は輝いていたから……

何もせずに、ただそこに風のように馴染むことが彼らの幸せを壊さずにすむ方法なのではないかと感じ、同時に自分はここに居て良いのだろうかと考えました。

誰かの幸せを願う時一番良い方法は自分を消すことなのかもしれません。

どんなにその人が辛くても助けること自体が傲慢なのかもしれません。もしも助けてしまったなら、あとは風のように静かに消えていくことが愛であるような気がします。

自分の存在を限りなく見えなくしていくこと……

群れる動物である私達は、我先にと前に立ちたがるけれど、できれば私は最後尾でそれらをじっと眺めながら静かに消えていきたいと願います。

 

究極の愛は何もしないこと

 

存在している以上、必ず誰かに何かに影響していますが、懸命に生きている生命を愛するにはそれしかなくて、自分は命ある限り、ただ淡々と日々の生物の循環に流されているだけで良いのではないかと感じます。

 

今日も皆さんありがとう。

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