美しい瞳とキリリとした眉。
強気なところがとても魅力的な女性。小学生の頃からずっと、一番好きな映画は『風と共に去りぬ』と答えていた。
何が好きかって?
もちろん、あの美しきスカーレットと彼女の諦めない強さ。
全てを失っても立ち上がる生命力。
多分、そういう生命力の強さに人は惹かれるのだ。
長生きするかどうかは別として、美しい人はやはり散るときも美しくあってほしい。
リンとは2年7か月一緒に生きたけど、やはり最期がいちばん美しかった。
コロンも同じく2年7か月で逝ったけど、おばあちゃんになった頃が最も可愛かった。
11匹いたハムスターの中で彼らはとても強く、最期まで諦めない子たちだった。
仲間が逝っても、モチのように落ち込んで食べなくなって後を追うようなこともなく、淡々としていた。
コニーサンは永遠の恋人だけど、彼はあまりに優しすぎた。
ウータンは気を遣って遠慮する子で、サファイアとミルキーは甘えん坊だった。
パディも甘えん坊で、シェリーはミルキーを想起させた。
これは毎朝作る、エンジェル、アンディ、ソフィ、ツンツンの朝ごはん。
エンジェルはいつからか仲間に虐められるようになった。
餌も残り物ばかり食べていて、ある日脚をくじいて片足が動かなくなった。
半年たった今もまだ治っていない。
獣医は5日で治ると言ったんだけどね……
誰よりも早く脱走し、誰よりも早く新しいことに挑戦していたエンジェル。
誰かの後についていくことしかできないツンツンとは対照的で、独りで判断して行動する孤高を保つタイプ。
だからモテる。仲間から一番。
虐めは多分その生命力に対する嫉みなのだ。
気づいたときは下に落ちた他の子の食べ残しを食べているような事態になっていた。
だから栄養価の高いものを優先的に食べさせて、抱いてリハビリしながら話しかけた。
だんだん強くなり、押されても噛まれても負けずに餌を食べに行くようになった。
以前のように仲間を避けるために二階に上がることもできなくなったけれど、障害があっても退いていない。
ところが私がエンジェルばかりに手をかけるので今度は他の子たちが荒れ始めた。
なので、朝のごちそうは個別で作ってそれぞれに声をかけてあげることにした。
みんな自分の器がどれかも知っているし、隣の子が同じものを食べているのかどうかソフィはいちいちのぞいて確認している(笑)
アンディは抱っこして話を聴いてあげなくてはならない子で、ソフィやツンツンに嫌なことをされると文句のような口調で私に長々と愚痴を吐き出す。
「そうかそうか、嫌だったね。」
一通りごちゃごちゃ言って私の腕に顔をうずめた後、しばらくすると落ち着いて帰る。
それをしないとエンジェルに当たる。
ツンツンは一番小さくて、食べるのも下手だったけど、皆について行こうと頑張ってきた。
遠慮なく餌も一番にとりにいくようになり、ソフィに攻撃されるようになった。
そしてその鬱憤はエンジェルに当たって晴らす。
エンジェルは基本的に誰にも何もしない精神力の強い仔なので、ツンツンにまで当たられてあまりに迷惑だ。
だからそういう時は、抱っこして撫でてツンツンを落ち着かせる。
ソフィは、単体でいるととてもかわいいし女っぽい。
かつて脚が立たなくなって毎日介護して歩かせた子だ。
まったく障害も残っていない。怒られた時の逃げ足は物凄く早い。
だけど一番意地悪で困る(笑)
自分が一番じゃないと気が済まない仔。
でも実は一番強いのはエンジェルだと思う。
多頭飼いをすればわかることがある。
生まれ持ったものは変わらない。
賢い仔はずっと賢い。
弱い子は弱い。
生きていくために必死で強くなろうとしているのもわかる。
でも万一天敵に狙われたら誰からやられるかは予想がついている。
もちろんどの子も私が大人にまで育てた子だからかわいいのだけど、甘えん坊は人間と同じで生命力は弱いと思われる。
甘えは他に依存しなければならず、思い通りにならない時のストレス度合いが大きいのではないかと想像する。
そのストレス度が生命システムに影響し短命に終わったのかもしれない。
子育てと同じ、強く育てようと思っても生まれ持った資質はどうしようもない。
ただそれでも彼らは皆、弱音を吐かずに懸命に自分のために生きている。
人間のように『人のため』なんていう綺麗事は言わないし、しない。
生きるために闘うのだ。
仲間とでも。
平和は心の安寧に直結するけど、動物たちのあの強さは尊敬に値する。
明日何が起こるか分からないから、そんなことを考えずに今日を懸命に生きる。
もし明日が来るなら明日もまた美しく生きるのだろう。
私たちも今を懸命に生きなくては。
今日も皆さんありがとう
0 comments