随筆 30

生ぬるい風に当たりながら、日差しだけは夏の終わりに近づいていることを感じている。

かつて夏は一番好きな季節だった。

扇風機の風と、父親のビール、そして野球中継。

今はなき、日本の風景。

 

夏休みは自分らしく生きる貴重な時間。

コントロールされる学校と、自分で考える自由の狭間を行ったり来たりして大人になったような気がする。

 

夏の終わりは、いつだって悲しい。

風に吹かれて。

重なる想い出。

若き日の妥協。

さよならした家。

そして、予感。

 

多分あの頃、こうなることを知っていた。

だから、毎日を大切に大切に積み重ねていたのだと思う。

 

いつも、そのときどきで、めいいっぱいやること。

逃げずにやること。

自分が大切なことを。

自分がやりたいことを。

 

二度と会えない大切な存在。

それでも確かにあのとき一緒に生きていた。

めいいっぱい愛してた。

だから、後悔ないんだと思う。

 

今を大切にできるんだと思う。

 

過去全てにありがとう。

 

 

 

 

 

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