随筆 27

普段から、自分が何に緊張するのか、意識して過ごしている。

緊張というのは、私の場合はポジティブなものだ。

面接も、自分の講演も、自己紹介も、誰かと初めて会うときも、歌をうたうときも、あまり緊張はしない。

注射を打つときもそうだし、試験のときもあまり緊張しない。

そんな自分が、ふと緊張を感じるときは不安からではなく、ワクワク感からのものが殆どだ。

昨年の春に一人で関空からアフリカに発つたときもそうだった。

家族と空港で別れるときは、人並みに寂しくなったりするのだけど、ボーディングタイムになって、搭乗口から飛行機に向かって歩き始めた途端、急に気持ちが切り替わる。あのなんとも言えない緊張感は忘れることはできない。誰に依存するわけでもない、あの状態が、とても爽快で心地よかったりするのだ。

誰かとやり取りする時にも感じることはある。

圧倒的な尊敬と信頼。緊張感は、未来への期待値の大きさなのか、価値観の近さからくるソウル的なものなのか。メールひとつ送るにも緊張する相手がいる。

旦那との関係性においても、出会って6年目になるが、まだ緊張する瞬間がある。

二人の関係が常に進化していくことをイメージしているからか、いっこうに慣れることがない。慣れないから、驚きもあれば感謝も忘れないし、何より常に新鮮さが伴う。僅かな緊張を感じる瞬間は、ポジティブなものなので、持ち続けたほうが、私から見た関係性は楽しいものだと思っている。

緊張ってその時の自分の心を占める度合いと比例しているような気がする。

私の場合はポジティブなものなので、潜在的な感情を自覚する一つの要素になる。そして、自己を客観視し、未来への指標にもなる。

こういう感情の抑揚をきちんと把握していれば、セルフコントロールは自然とできるようになると思う。

喧騒の社会に生きて、忘れがちになるけど、小さな積み重ねが大きな幸福になるので、刹那を大事にしていきたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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