成長

どのような生物もこの世に産まれ出て死ぬまでに、賢くなり続けるものだと私は考えています。

赤ん坊の頃より3歳、3歳より12歳、12歳より60歳という具合に……

その過程では、決して勉学だけではなく、地球が与えてくれた本能的なものや、自分の置かれた環境、本やテレビで観た他国の現状、小説やドラマ映画、傍らにある花やゴキブリに至るまで、全てが学びの材料です。

何度もお伝えしているように、我が家で生まれたハムスター13匹は、教えなくても全員回し車で走って(彼らは夜行性で夜の間に数キロ走るそうです)、初めて見た小松菜を食べ、ヒマワリの殻を剥きました。

個体差で野生的な仔と、見るからに序列の下位に位置させられるであろう弱い仔がいるのも、真摯に向き合っていればわかります。

予想通り、野性的な孤高を保つタイプの自立型の仔が最長齢(2歳7か月)まで生き抜き、自立度の順に中堅組まで皆2歳前後で旅立ちました。

赤ん坊の頃から他の雄にヤラレて逃げ回っていた仔が月齢1ヶ月や1歳3カ月で逝きました。

大人しいのですけどね。彼らは。

でも気を遣って退いてしまう子はやはり生命力も弱いです。

生命力だけでなく、長く生きるほどに彼らはどんどん賢くなります。

動物と共生する人は多分皆さんご存知だと思うのですけど、ニンゲンの家の中や人間都合の小屋の中に閉じ込められていたとしても、その中で自分の遊べるものを探し、危険なことは避けるようになり、足りない餌は奪ってでも食べるようになります。

また彼らは、人間との関係も、愛のない人を決して信用せず、単なる餌運び係としか見てなさそうで、愛ある人には甘えたりします。

孤高を保っていた仔も年齢が重なるにつれ甘えることを学びます。

歳をとって無茶が出来なくなり、自分の弱い部分を自覚していくように視えました。

多分家畜やショーなどの虐待されている環境下での彼らの従順さは、相手を魔物か怪物として認識し、恐怖一色ゆえのもので、私たちニンゲンが彼らの生涯を地獄に陥れています。

昆虫たちも同様でしょう。

ニンゲンに嫌われるゴキブリも、様々な薬剤に耐性を付け、家の中に入るにあたっては分かりにくい場所から夜にそっと忍び込み、灯りが点いて見つかろうものなら、殺されにくいように出来るだけ部屋の端を通ってタンスの裏や冷蔵庫の下に逃げ込み、どこかへ消えていきます。

マンションの上階のベランダで、どうやってあんな高い場所に植物があることを察知するのか、どこからくるのか、テントウムシが卵を産み付け、ウスバカゲロウや、カナブンまでたくさんの昆虫がやってきました。もちろんゴキブリもムカデも。

そして雀たちもハムスターズの食べ残しの餌に気づき、公園ではなくうちのベランダに何十羽もやってくるようになったのです。

カレルチャペックの言うとおり

「鉢の中に宇宙はある」

は本当でした。

 

出会った人すべてや、義務教育やそれ以降の勉学、生まれた時から家にあるテレビで観てきた本当の情報やおかしな情報、家族や近所の人、同級生の周囲などからのありとあらゆる気づきと数えきれない検証。

30年も生きたら、それだけで人間は相当賢くなっているはずなのです。

謙虚な人ほど学びのスピードは速く、感謝の心がそれを加速させます。

 

ただ、気づきとは良い事だけではなく、よくない事、避けるべきことなども含みます。

ですから青二才には絶対に言及できないようなことも、高齢になればなるほど多く在るはずなのです。

目上の人に対する敬意はそこから生まれるものだと思います。

 

ただ、自分の馬鹿さ加減を自覚できない類は、ヨシヨシナデナデばかり好み、綺麗事という嘘で人生を乗り切ろうとし、逆境に立たされたら逃げるか、他者に責任転嫁をします。

そうなると100年生きても馬鹿のまま。

10歳の小学生の方が賢い事だってあるのです。(偏差値ではなく智慧のことです)

 

その判断はひとえに自分のシックスセンスにかかっています。

相手が綺麗事という嘘を話しているのに見抜けずに詐欺られる人や、逆にそれを見抜かれないとたかをくくり他者を騙そうとする人も感覚器が弱いからでしょう。

嘘つきは信用するに値しません。

綺麗事を話している時点で信用できません。

 

感覚器が鈍って判断に自身が無い人は、落ち着いてゆっくり取り戻しましょう。

自分で出来ることを本当に自分でするだけです。

失敗したら二度と繰り返さないように覚えます。

これで賢くなります。

智慧が付きます。

 

もし権威や学歴でしか判断できないとしたら、自分の感覚を疑った方が良いでしょう。

確かに積み上げたものは素晴らしい功績で信じるに値する人も多くいますが、そうでない人も同様に存在します。

リアルをリアルとして受け容れる生物としての当たり前の強さがあれば、必ずHPは上がります。

 

何をするかより誰とするか。

人間社会においてはその『誰』が最も重要です。

言葉ではなく、相手の行動生き方を見て判断しましょう。

愛はヨシヨシナデナデではないことを賢明な人は知っています。

 

群れで生きるサピエンスは、必然的に他者との相互扶助が大切になります。

嘘つきと助け合おうと思っても崖から転落します。

自分の弱さや馬鹿さ加減を認め、謙虚になり、何十年も生きたならその知恵を若者や子供たちに継承したいものですね。

 

今日も皆さんありがとう。

 

 

 

 

 

 

 

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