遠い記憶、まだ小学校に入る前だったか、両親とその友人たちに連れられ紅葉を観に行った。
猿が多い、紅葉では有名な場所で、初めて食べたのが『もみじの天ぷら』
・・・・・・筋だらけで食べにくかったのを記憶している(笑)
それ以来、あまり紅葉に興味を示さなくなった。
猿に飛びつかれたのも理由の一つ。
桜より薔薇、紅葉より新緑という趣味の私は、当然そんな目的で集まって酒を呑むのは好きではなかった。
ところが、四季のある日本よりも熱帯、そして山より海が断然好きな私が、山に家を構えてしまった。
おまけに薔薇とはまったくフィットしない日本庭園、石庭。
だけど歳のせいか、それも
「いとおかし」
と思えるようになった。
年齢や経験値というものは、上手くできている。
いい塩梅に妥協ができるようになり、時代に合わせて変化するのも簡単。
永らく紅葉など真剣に観たこともなかった私が、キッチンから見える景色がすばらしく妖艶だと思える。
出窓に水栽培の野菜を幾つか並べているのだけど、料理をしながら毎日この美しさ。
今まで住んだ場所の中では最も寒いけど、庭の樹々のおかげで少し癒されたりもする。
苔も幾種か育っていて、今朝はその苔の上に落ちた真っ赤な葉に趣があった。
都会に生まれ繁華街に暮らし、郊外ですら田舎に見えていた私が過疎化も進む山に来た。
これから何がどうなっていくのかさえ分からないけど、何も決めつけずにしなやかに七変化して生きて逝こうと思う。
静寂な朝の時間に、マグマのように何かが湧き上がる自分。
ここまで待ったのだから、焦らず、あと一歩先に視える何かに全力でエネルギーをかけたい。
今日も皆さんありがとう
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