コニーサンありがとう

外出していて夜中に帰宅したとき、コニーサンが寝床から出てこなかったのが不思議でした。

いつもは私が帰宅すると、すぐに起きてきてケージをかみ始めます。外に出してくれという意思表示です。

なにか変だなと思いました。

 

 

翌日の日曜も自分から起きてこず、一日家の中にいました。出てくるのはトイレのときだけで寝床との往復ばかり。

餌も殆ど食べていませんでした。

野菜好きのコニーサンが小松菜も残しているなんて、まずありません。

 

朝、掃除と散歩で外に出すと、水槽の公園(皆が遊べるように2階建ての餌場や回し車、砂場、隠れ家なんかを設置してあります)に入れてほしいと言うので入れてあげました。

するとそこで寝床を作り始めました。

 

シード類も食べません。

大好きなワイルドストロベリーが熟していたので、ベランダからとってきて一粒渡すと、半分くらい食べてくれました。

 

麻の実は大好物で、何とか剝いて食べてくれましたが、水をのみません。

かわりにヨーグルトや豆腐は少しは食べるような、他の子の最期と同じような状態になってきました。

 

 

そのうちだんだん動きが鈍くなってきて、ついには麻の実も吐き出してしまいました。

 

夜半も心配で傍らで仮眠していると、床をガリガリ噛む音がします。

起きて見ると、直後に動けなくなりました。

すぐに掌に乗せたのですが、もう自分で横を向くことも座ることもできません。

 

コニーサンは先日二歳になったばかり。

2歳の誕生日を迎えたことは、本当に本当に嬉しかったのです。

まさか数日でこんなことになるなんて……

 

娘を起こしましたが既に夜中。夫も帰宅しておらず、また私一人で看取ることを覚悟しました。

一滴、一滴、水とノニを口に含ませると、掌からおりて走り始めました。

 

まさか、奇跡を起こすのか?!

 

でも、すぐに動けなくなってしまいました。

 

ウータンのように呼吸困難になることもなく静かでした。

身体を撫で続けていると、途中身体を少し起こし、私に何かを話しかけているようでした。

まだ一緒にいてほしいと何度もコニーサンに訴えました。

だからかもしれません。動けなくなってから10時間も心臓は動き続けていました。

その間、声が聞こえていたのか、目が見えていたのかどうかはわかりません。

コニーサンは結局一晩中私の掌の上にいました。

コニーサンの涙を見ました。

水分もとれずに朝になってしまったのに、目がうるんできたのです。

 

明け方また、急に動き出しました。

手足を何度もバタバタして毛づくろいをし始めました。

静かになっては毛づくろいをして……

 

もしかしたら持ち直すのかと、また水を含ませましたが……

 

その後、鼓動がなくなっていることに気づきました。

綺麗な状態でした。

 

 

コニーサンは私にとっては人間以上です。

今までのどんな学問よりも多くの知を与えてくれた存在です。

 

二年前、思いがけず娘が飼うと決めたココとコニーサン。

 

コニーサンはなつくまで時間もかかり、ケージから出るとき掌に乗ってくるようになるまで2か月を要しました。

恐る恐る一歩ずつ進んで掌に噛みついては安全かどうかを試し、また一歩進んで噛みついては安全かどうか確認し、コニーサンが安心するよう痛くても動かず、根気強く待っていたのを思い出します。

 

 

瀕死のケガをしたときも独りで一晩じっと耐え、撫でても決して噛みついたりしませんでした。

私を気遣うような場面も多く、他の子に対しても攻撃的になど決してなりませんでした。

 

優しさは強さだと私はいつも表現するのですが、コニーサンは最期まで、優しく強い雄でした。

単にハムスターが可愛かったなどということではありません。

私の晩年に大きく貢献する知を授けてくれたことと、種をこえて愛は通じるのだということを教えてくれたのがコニーサンです。

意識の大きさに違いは感じませんでした。

生きている間はずっと、対等な生命として対峙していた感覚です。

 

 

コニーサンのことは生涯忘れないでしょう。

 

コニーサン、いつかまた会おうね。

 

たくさんの幸せをありがとう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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