随筆 43

自分はどこにいても変わらないはずなのに、此処にいる自分とあそこにいる自分は確実に何かが違う。

日本の都市、窓から見えるのは夜景、高層マンション、アスファルト、車、濁った空…… 

 

山上からの朝焼け、紫がかった空、どこまでも続く地平線、サバンナ、ポツポツと灯るかすかな明かり、雄大なキリマンジャロ……

 

沈む夕陽、エメラルドグリーンの海、真っ青な空、スコール、ラッシュグリーンの香り、音楽と、人々のキラキラした笑顔……

 

何処にいても自分は同じはずなのに、表情も言葉も感情もすべてが変わる。

殺伐とした場所は憎しみや哀しみを生みやすく、美味しい水と空気は、自然と融合できる本来のニンゲンを取り戻させてくれる。

どこで生きるとか、誰と過ごすかということで、きっと自分の細胞まで影響をうけるのだろう。

同じ自分から出てきた言葉や、誰かに向ける表情が、こんなにも違ってしまうなら、誰とどこで生きていくかを妥協せずに選択したとしたなら、時間は今の何倍の価値にもなる。

Time is money.

この本当の意味を、一度確かめに行ってみればいい。

システムを創造した人の思惑を想像してみる。それを不必要な土地の人々におしつけた自分たちを宇宙から眺めてみる。

灰色の空の下にいる自分と、青い空の下にいる自分。アスファルトの上に立つ自分と、大地の上に立つ自分。

どちらも同じなんて決してない。

そんな綺麗事は私には言えない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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