随筆 92

人々は偶像を崇拝する。

よくもわるくも、自分が創り上げたその偶像の

イメージが壊れることを好まない。

なぜなら、その偶像化された人物と関与する自分の関係を、例えるなら「ベンツを運転している自分」や「エルメスのバッグを持っている自分」と同様に「偶像である〇〇さんと関与する自分」として、自己に陶酔しているからだ。

だから、この偶像化された人間が単なる個人として接するのを好まないのである。

偶像化されやすい人は、何かの才が突出している場合が多い。アスリート、芸能人、思想家など、人々に受け容れられやすいマイノリティタイプだと思われる。

偶像化された人が憂うのが集団であるのは、前述したように人々が陶酔しているからで、ごく普通のことをしただけで、人々が違和感を持つからに他ならない。

偶像化された人は、いずれ、陶酔型の人々との関係性と、同タイプの人々との関係性との線引きを自然発生的にすることとなる。

もしかしたら、これが世界の支配者層を構築した始まりだったりするのかもしれない。

だからといって権力にモノを言わすのならば、それは熟考された平和主義思想であってほしい。

独占や怠慢や私利私欲のための偶像化は、もはや絶滅危惧種のようなものであるように思う。

世界各地に散らばる、偶像化されるような人々のエネルギーを地球のマントルなどに焦点を合わせて一斉に放出したとしたら、地球の自然治癒力は一気に働くのではないか。

などと思いを馳せる今日この頃……

 

 

今日も皆さんありがとう

 

 

※写真 https://images.nasa.gov

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