研究者と呼ばれる人たちは、ある分野に特化した学問を専門とする人々だと認識していますが、
個人が興味を持ち、とことんそれを追究していくとき、自治体をも動かせるようになるのだなと
感心させられる内容でした。
一人の行動は世界を変える・・・・・・かもしれないのですね。
今回興味を持ったのは、身近にいる野生動物の守り方について書かれた本だったことと、子供向けであるにも関わらず、大阪生まれ大阪市内育ちの私は見たこともない動物で、かつうちのハムスターズと同様の齧歯類が、その辺にいるのかもしれないという親近感から、手に取ったしだいです。
[amazonjs asin=”4774324167″ locale=”JP” title=”すぐそこに、カヤネズミ―身近にくらす野生動物を守る方法 (くもんジュニアサイエンス)”]
著者の、畠佐代子さんは、大学院理学科でのカヤネズミの研究のために、蜂に刺され、マムシに遭遇しても、あちこちの草原を野生のカヤネズミの観察に費やし、また愛情あふれるその行動から、野生動物がそこで生きていることなど考えず、時期がくれば例年通りに草刈りをしていた自治体の職員さんの行動を変えるまでにさせたこと、なんてすばらしいんでしょう。
いかに私たち人間が、自分の都合だけで、公園や河川敷の草原を台無しにして、たくさんの野生動物を絶滅の追いやるのかが理解できました。
そして読み終わったときに、
「カヤネズミに会ってみたい」
と読者に思わせること。これこそこの方の研究の成果なのだと思いました。
4匹のカヤネズミを家で飼われたそうなんですが、個々に食べ物の嗜好が少し異なることや、綺麗好きとそうでない子がいることなど、まさに私がハムスターに感じていたことと同様で、たくさんのカヤネズミを一度にみられたからこその意見にも納得でした。
私たちの身近な草原の中で、こんなにかわいらしい生き物が必死で生き残っていることに感動しました。でもいまは、残念ながらレッドリストに入っているようです。
畠さんは主に大阪の淀川や、京都の桂川あたりのことを書かれていましたが、カヤネズミにフォーカスするのではなく、一つの仕事を懸命にやりきれば、周囲の人々の心も動かすことができるということも、同時に証明してくれています。
その点から、この書は、大人にもお勧めですし、学生の方にも面白おかしく読める内容だと思います。
また小学生の方などには、自由研究の題材にされるのもいいのではないでしょうか。
私は時に、絵本やこういったジュニア向けのものからも学ぶことを忘れたくないと思っています。
とてもかわいらしく、野生動物に対しての愛着もわき、また仕事の大切さも教えられるとても素晴らしい一冊でした。
ぜひぜひ読んでみてください。
写真引用元※全国カヤネズミネットワーク 代表 畠佐代子さん
観察会なども随時開催されているようです。
うわぁ、行ってみたい!!
今日もみなさんありがとう。
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