コロナが勃発する前、なぜか田舎に移住しなくてはいけない思いが消せず、二年間あちこち内覧していました。ピンとくる場所が見つからず、直前になって突如
「今日、あそこに行くよ」
と同居人をそそのかし(笑)レンタカーを借りて某村の役場に直行しました。
「空き家ないですか?」
のアポなし観光客もどきに丁寧に対応してくれた彼が物凄く良くて、
「一軒だけ鍵預かっているので見ますか?」
と即連れて行ってくれたのです。だから、そこに決めました。
古民家ではありません。住宅密集地、もと居た大阪のマンションより広く、キッチンも新しい。部屋も多くてロフトもついている現代的な家で、長らく繁華街に住んでいた私たちには田舎移住の第一歩としてはちょうど良い環境でした。駅から徒歩40分という、当時の私たちにはとても不便な立地は、自転車で運動を兼ねるという覚悟で臨みました。
結果、最寄りの大阪メトロの一駅分くらいある距離の畑まで鍬を担いでいく毎日。一人で畑仕事をすることになり、往復20キロはクロスバイクで買い物に行くことになり、日焼けした肌がもう元に戻らないくらい真っ黒になりましたが、マスクもせず病院には一度もお世話にならず、自家栽培の無農薬野菜を食べる健康的な生活をさせてもらいました。
エンジェルやアンディ達を同居人が飼ったおかげで、赤ん坊から大人になるまで私が育てることになり、立たなくなった子達をリハビリして歩かせ、それぞれの性格もわかってきて甘えん坊の子は抱っこしてやらなくてはならず、餌も自家配合なので野菜作りにケージの掃除と、毎日留守にできないほど忙しくなった頃。彼らは声が大きく、近所の方々は皆さん笑顔で受け容れてくれたのですが、やはり彼らがのびのびするもっと良い環境をと考え、人が少ない畑山付の場所を探していたという次第。
畑は小さいけれど庭が広く、両方活用すれば家庭菜園くらいは何とかなるという場所を見つけました。此処も探し続けてやっと見つけた場所です。
何度も「此処は違う」と却下する私に同居人は辟易していましたが、買うのは私なので他人の彼に文句を言う権利はまったくありません。私にとって最も大切なのはエンジェルたちだったので(笑)
以前の家で、コロン、シェリー、パディは逝ってしまったので、アンディ達と娘が飼ったうさぎのロッピ―がトラックに揺られて一緒にやってきました。
初めて乗る車が怖くて皆かたまっていましたが、今ではソフィたちも車に乗れば以前の畑に連れて行ってもらえるとわかっていて、箱の中でじっと座っています。(以前の畑はかなり広いのでまだ借りています)ですが車が1台しかなくて、同居人がほぼ乗っているので、畑には頻繁に行けず、必然的に自然農法に切り替えなければならなくなりました。水やりなし、不耕起、肥料無しで雑草マルチで今季から試しています。今のところ豆類は順調。耕作放棄地から自家製堆肥を作ってミミズも多い肥えた土に変わっているので、自然農法に切り替えても大丈夫だと思ってます。
自宅の畑は鹿と猿に入られて育った野菜がほぼなくなるので、色々思案中です。土も悪く、以前の畑から堆肥を全部運んできて投入したので、こっちはまた一から土づくりです。ただ、山ならではの良い部分もあり、薪ストーブの灰や、薪割りの木くず、腐葉土には困りません。それをどんどん投入し、併せて自家製堆肥も投入していけばあっという間に肥えた土になってくれることでしょう。何より、借りた畑でないので果樹を植付けできることが最大のメリット。
大阪のベランダから一緒に来たオールドローズたちは、日当たりが悪く四六時中LEDの街灯が当たっていた以前の庭でほぼ死んでしまいましたが、コニーサン達が転生したレダはなんとか生き残り、シェリーやミルキー、サファイアが転生したマルベリーもかろうじて生きています。地植えにして大きくしたいのですが、鹿が葉を全部食べてしまうので、植付場所を決めかねています。なので、まだ鉢植えのまま。いまは鉢植え全体をカバーし、何度も鹿に食べられて茎だけになっていたバラが綺麗に葉をつけています。
私にとってバラたちはエンジェルさんたち同様、とても大切な存在です。ニンゲンに於いては、大人なら自立し勝手に自分のやるべきことをすれば良いわけですが、彼ら他生物は人間都合で不自然な環境に置かれているのでサポートが必須です。この島のニンゲンとは大切な事についての価値があまり合いませんが、他生物とはサクッと合います。自立度もハムスターやリスの方がニンゲンより高くて敬意しかありません。こちらが愛するだけで自動的に愛し合えるのが彼ら。へんてこりんなお話を創ってややこしくするのがニンゲン。そういったお話に付きあうのに疲れていたのも、田舎に来た一つの理由だと思います。
また自分で自分を追い込んでいく事で、必然的に身につけなければならないスキル、つまり怠惰な生活から遠ざかるためにも田舎移住はもってこいなのです。ただ、今の家は最寄り駅まで車で30分、スーパーまでは1時間弱という立地で、完全自給できていない今はデメリットでもあります。
ですが、電気ガス水道が止まっても私自身は平気です。アフリカでそういう暮らしをしている村にいましたから。ここは清流が近いので、生活用水には困らないでしょう。エンジェルさんたちも守り切らないといけません。
都会にいるとお誘いも多く、繁華街に住んでいたため、徒歩で天王寺でも心斎橋でも下手したら梅田でも行けてしまうので、それに応じるわけですが。優先順位は全くブレることがなく、家族や動植物と共生するための家仕事、自分が決めている誰も知らなくてよい自分だけの仕事、そしてもっとも優先度の低いのがシステムに合わせて仕方なくする仕事、という順なので、実はハムスターズと過ごす方が大事だったりしたわけです。(笑)
今でも大切に想っている彼らと生きる時間は最も幸福な時間となっていますが、ニンゲンとも関われば関わるほどに好きになってしまう自分の性質から、大切な存在が増えることは同時に守りたい感情が大きくなりすぎて自分を圧迫しかねず、自由に動けなくなるリスクが増大することから、なるたけ大勢と関わりたくないという潜在意識が働いていたように思います。
ところが田舎に来ればくるほど、逆に近所の方と密になり、深く濃くお付き合いすることに、結果的に好きになればなるほど共に生きたい欲求も強くなります。昨今の世界を考えれば、生き方自体も新しい方法を模索しなくてはならず、年中そんなことで頭がいっぱいで夢にまで見てしまう毎日(笑)
ですから、好きな人とは何かしら仕事で組もうと考えました。そうなると、大阪にいる頃に疎遠になった大切な人の事も気にかかりはじめ、覚悟を決めて愛し合う(老若男女関わらず)しかないと思ってしまう今日この頃。仕方なくするシステム上の仕事を、好きな人と組むことで公私ともども切磋琢磨して、その先にある共に生きる形を創造すべく好きな人にお声かけさせていただいています。
もちろん通じない片思いの相手もいるわけですが、それも必然。執着はしません。この10年程は嘘まみれの世界の中で、ある意味ニンゲンを嫌悪し、避けてきたわけですが、サピエンスの名に恥じず、足るを知り、地球や他生物に必要以上の負荷をかけない生き物が私のニンゲンに対する概念なので、きっと私は本来はニンゲン好きなのです。なので重い腰を上げて人々とお付き合いしていく事にしました。
ニンゲンと関わることは私には覚悟が伴います。ただし、嘘つきはもう二度と自分の世界に要らないと決めているので、好きなように生きて逝くつもりです。正誤も優劣も無いけど、好き嫌いは明確にあります。他生物だけでなく「ニンゲン」とも共鳴し、愛し合って、サヨナラできるようレベルアップします。
そんな私と生きていてくれる万物に心から愛を。
今日も皆さんありがとう。
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