ついて三日目の昨日。
朝から隣人の畑の作物の収穫を手伝うことになった。
スワヒリ語がほぼわからないので、隣人に気を使わせてもいけないと、約束の時間に玄関前で準備万端待機していた。
畑の収穫を手伝って欲しいと言う彼に、息子が来たばかりの私にそれを振ったというわけだ┐(´д`)┌
それはそれは隣人も不安だろう。
60代の一人暮らしの男性。英語もわからない、相手は来たばかりの外人。女。
それを想像する私は、先ずにっこりと笑顔で朝の挨拶をした。
「Hu jambo」
「Nzuri sana」
顔が引きつっているような彼(笑)
会話をしてもお互いに????
仕方なく黙って彼の畑までついて行く。
近いと言ってたよね?あれ?
30分以上は歩いたかな。
私はジャージ上下、首にタオル巻いて、長靴と軍手。よくわからない虫にやられても困るので完全防備!
そんな外人の私は大注目。
此処では道行く人々に挨拶は必須。次つぎに声をかけてくる。
躊躇したりひいていてはいけない。
Habari za asubuhi!
笑顔で手を振り、挨拶くらいはスワヒリ語ででなんとか交わした。
畑に到着
まず驚いたのは日本の畑と違って作物が順序よく並んでいないこと。畝が無い。
畑のあちこちに色んなものが散らばって育っているので、どれが雑草でどれが食物かもわからない。
農業もしたことがない私は、植物の知識がなければ、収穫する豆さえわからなかっただろうと思う。
息子、無茶ぶりすぎ!!
そこで見つけた例の美味しい葉っぱ。薩摩芋の葉っぱだな。
でも収穫するのはMAHARAGEときいた。
つまり豆だ。
バブが収穫する作物を見てmaharageをどれだか特定した。
外人はよくわからずに抜いてはいけないものを抜いたり、雑草と野菜を間違えたりすると後からきいた。
言葉があまり通じないけど、なぜだかバブの言いたいことは何となくわかった。
収穫はどんどん進む。
彼の畑は案外広い。これは日没までかかるかも・・・・・・・。
と考えていたら、素晴らしいことが起こった。
手を休めずに黙々と作業していると、ふいに遠くから挨拶をする声が聞こえた。
隣人のバブはその人たちと何やら大きな声で喋る。
また誰かが通る。買い物にでも行くみたいだ。
なのに彼らは行かない。
いつのまにか畑は、近所の子供や女性で総勢10人ほどになった。
暑い中で作業しながら考えたこと
こういう仕事は必ず今日中に終わらせないといけないのだと思う。
先延ばしにしたところで、絶対にやらなきゃならないと決まっている。
そういうことを誰もが認識しているのだろう。
脇道を通っていた人々が、自然に、本当に当たり前のように、彼と私二人の広い畑の収穫を手伝い始めるのだ。
多分、バブがスワヒリ語で話していたのは、隣の日本人の母親が来て、手伝ってもらってるんだよ!的なことかなと。
そして予定より数時間早く
「Finish!」
子供たちが口々に言って、帰っていった。
早朝からお昼すぎまでかかったが、彼らが手伝ってくれなければ夕方まで時間を要しただろう。
此処には、ごくごく当たり前にこういう光景があるのだと見て分かった。
通りすがりの知人友人が、人手が足りないと目にとまれば手伝う……素晴らしい関係だ。
日本のように、忙しく時が過ぎていかない。
「いま忙しいので」
と道を尋ねても走り去る人もいる。
会う人ごとに挨拶に時間をかけて近況報告、どこかへ行くのも後回しにして知人の収穫を手伝う。
彼らの優先順位はそういうことなのだな……と。
心がとてもあたたかくなった。
続きはこちら↓
0 comments