随筆 108

きっと人々は皆、ニンゲンは進化していると思い込んでいる。

だけど、ふと立ち止まり、振り返ってみれば

「あの時の方がずっと幸せだった」

こんな経験は誰しもあるだろう。

時代は進化し、一見便利になったように思う。

楽になりたいという心は、同様のモノや事象をどんどん引き寄せて、そのような世界しか視えなくさせていくように思う。生きるために適度に動き続けなくては死んでしまう私たち。

便利な世界、憂いた顔、ハラスメント、クレーム、虐め。ニンゲンは、怠惰になりすぎたのかもしれない。

複雑にしたり機械化することで、進化した世界に生きているかのような錯覚をもたらし「自分で生きる」ことから遠退いていく。殆どは自分で考え創ったものではなく、一部のニンゲンが生み出したものを金で買っているだけのことだ。気づけば、コンクリートの家の中で、食べものでさえ金と交換しなければ得ることもできない世界に生きている。

餌を与えられ、繋がれたペットたちは、自分で食べものを探す必要もなく、下手をすると、生まれてから死ぬまで自由を知らない哀れなものもいて、まるで奴隷のようだ。ニンゲンが管理し動物を飼うことは、奴隷が奴隷を飼っているようにも見え、私自身も彼らを生息地に返すこともままならず、ジレンマの中で共生していた。

雀は金など稼がなくても毎日生きている。鴨も自分で判断し、川にいる。アライグマは夜になると畑に現れ、人間が独占している食べ物をうまい具合に食べている。ゴミ掃除が面倒だからと、烏に一切食べ物を与えず追い払い「野鳥」と呼んでみたりする。

いったい地球をなんだと思っているのだろう?

アスファルトを土に戻せば、散乱したとしてもゴミは大半土に還る。加工品やプラスチックなどを使わなければ、ゴミが増えることもなく、たいてい地球が循環してくれる。その循環システムの中に、私達生き物は生まれてきたと思いたい。

ニンゲンすべてを助けようという美談は、一部のビジネスに利用され、命さえ商品化されていることに人々はなかなか気づかない。福祉さえ、助成金ビジネスの温床だったりする。もちろん、事故や自然災害で命を落とす人々への想いは、とてもつらく悲しいものである。残念ながら、悲しみは生きることと切っては切り離せないことなのかもしれない。

序列の中で強いものが生き、弱いものが淘汰されていくことが、動物の掟だとするなら、ニンゲンはどうだろう。(ここでいう強いものや弱いものとは、生きることに直結しないニンゲンに限ったシステム上の肩書や地位ではない。何もなくても生きているホームレスは強いだろうし、大きな屋敷に住んでいても、独りで生きられないなら弱いだろう。)

食うために働くと宣い、金を得るために仕事に就くものの、通勤さえ億劫だというのなら、ダイレクトに自分の喰うものを自分で作ることに力を注げばいい。定年する頃にはきっと違った生き方を確立している事だろう。

「生きているだけで価値がある」

それは、弱肉強食の中でいかに生き残ることが簡単でないかを知っている人が言うことにより、初めて価値を持つ言葉なのである。

日々の厳しさの中で自ら考え、便利な道具を作った古代とは異なり、一部の人が創造した便利なものを享受するために、拝金主義へと向かったニンゲンたちの欲はどこまでいってもキリがないように見える。

「断捨離」という響きのいい言葉を使ってなんとか気持ちをなだめようとしても、さほど意味を為していないようで、瞳がキラキラ輝く子どもたちと出会うことが少ないということが、我々が築いてきたこの島国の結果を表しているように思う。

コロナ禍が真実でも虚構でもどちらでもよいけれど、それを言い訳にしていたり、誰かが何とかしてくれると思い込んでいる依存心は、古代の人からどう見えているのだろうか。

愛とは、つき詰めれば、深く冷たいものである。

冷酷に視えるその行為は、もしかするとその人が考え抜いた答えかも知れない。

そう考えると、古来から自然と共生して生きてきた先住民族などに対して、たとえ私たち理解できない習慣をもっていたとしても、正誤を決めつけるべきではない。

アーミッシュは適度なところで文化を抑制したように思う。

今後、生き方を簡素化していく人々と、「進化」していく人々の二極化が起こりそうな気がする。

各々が自分にとって最善だと思う方向に向かっている。選択は自分の頭の中でしている。今選択した道の先がどうなっているのかは誰にも分からない。最終的には地球が要らないものを淘汰するだろう。

 

動物は自分のためにしか生きない

 

さて、自分には何ができるだろう?

 

自己完結能力をまだまだ高めていきたいと思う今日この頃。

 

今日も皆さんありがとう。

 

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