随筆 41

ハワイアンソング聴きながら、コナコーヒー飲む。

南国系島国の曲はハワイアンでもタヒチアンでも心が穏やかになる。根っからの南国好き。フィジアンがいいけど日本では圧倒的にハワイアンが多い。

ハワイアンソングを聴くと、不思議なあの日を思い出す。

初めて東京に行ったとき、仕事の催事で大きなスーツケースを持っていた。

イベントの前日、関東に住んでた今の旦那と飲みに行った。

翌日千駄ヶ谷で、予想していた通り不思議な男性が私の前に立ち、私の過去と現在を次々と話し始めた。

「あーこの人かぁ。変な人と会う予感って」

と思いながら最後まで聴いたが、彼の視は霊視は素晴らしいものだった。夜、誘われたけど断った(笑)新宿迄出たがホテルはどこも満室、一人で代々木のネットカフェに泊まった。仕事の連れは帰ったので、翌日一人でスーツケースを引っ張って、明治神宮でも参拝して帰ろうと思った。

お昼前だったか、ベンチで一休みしてミネラルウォーターを飲んでいた。

そうしたら一人の初老の女性が声をかけてきた。

「お一人ですか?」

「東京は初めてですか?」

「はい。」「仕事で来ていまして、帰る前に観光でもしようかと…」

どこへ行ったか、何を見たかなどときかれ、

「何処にも行ってないんです。」

と答えると

「今日一日私が東京をご案内します」

と言ったのでビックリした。

きけば、お孫さんの夕食を作らなくてはいけないらしい。しかし、私を案内しなくてはならないと言い、目の前でご家族にそれを電話で話してお孫さんに断っていた。

この女性、訊ねても名前も名乗らず。

スカイツリーや都庁など、夜の19:30まであちこち私を連れていってくれた。

10年くらい前もにも、韓国の高僧二人と出逢って東京を案内したそうだ。そういうオーラが私にあったという。

「ご案内しておかなければと思いました」

って。

私よりかなり歳上の女性だった。帰るまでそばにいるつもりだったようだが、スカイツリーの下でもうお孫さんのところに帰ってあげてほしいと私が彼女を駅まで送っていった。

さっぱり理由がわからなかった。そのあと、スカイツリーの下のクアアイナで一人でハワイアンソングを聴きながらサンドイッチ食べた。

音楽と思い出は同時に脳に記憶されるのだろうか。

あのとき結婚するんだろうと思いながら会った旦那のことや、その女性との不思議な出逢い、前日の透視する男性との出逢いなど、初めての東京は今も忘れられない。

スカイツリーのクリスマスイルミネーションを一人で観たあの夜が、いまや遠い過去に感じる。

どなたかわからないけど、あの時の千葉県の方に、この場を借りて深く御礼申し上げます。

 

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