もしも残りの時間が明確にわかっていたなら……
それが案外短いものだったらなおさら。
悪意はこんなに存在しないのではないかと思う。
すべてが愛しく、何もかもが美しく、出会いは奇跡で、歓喜しかないのではないかと。
ニンゲンは生物の中で最たる馬鹿なので、自分が何をやらかしているかさえ理解できないでいる。
そして懸命に生きている命を平気で殺戮し、カブトガニの青い血を死ぬ直前まで奪い、ただ老いたくないという理由だけで熊を檻に閉じ込め死ぬまでカテーテルで胆汁を抜き続ける。
アフリカに行けばいいのに、わざわざ動物たちを檻に入れて見世物にする。
海から海洋生物をつれてきておかしげなショーをさせ、手をたたいて喜ぶ生き物たち。
時に人間の体さえ、金のために管を通し死んだはずの命を生きながらえさせる。
なんて醜い頭の悪い生き物に生まれてしまったのだろう。
「明日すべて終わるよ」
そう全員が言われたら。
万物に感謝できるかな。
責任転嫁はやめるかな。
騙すことも、奪うことも無意味だって思うかな。
ブランドものだとか、若く見えるとかどうでもよいって気づくかな。
この世のシステムはニンゲンだけが信じている視野の狭いファンタジーだってわかるかな。
ごめんなさい。人間以外の生物。
ごめんなさい。先住民。
ごめんなさい。地球。
目の前の醜い世界が今すぐシャットダウンしますよう……
0 comments