万物に愛を

久しぶりにちぎりパンを焼いた。

ココナツミルクの甘い香りと、いつもよりやわらかな配合で、娘や同居人は喜んで食べた。

私はライ麦やオーツ麦、ハード系の雑穀パンの薄い一枚を有難く栄養にするのが好き。

柔らかいパンは好きではない。

米より小麦派なので、海外に住んでも辛くない。みそ汁も漬物もなくても辛くないタイプで、日本が恋しくて帰りたいと思ったことは一度もない。

つまり海外で暮らす方が好き。家族が居なければ。

途上国のエネルギッシュな感じと、人々のスピード感と、日本人から失われて久しい一度聞いただけで相当量覚えられる人間の記憶力。搾取されたのに許してくれて自分のような先進国民を受け容れてくれる懐の広さ。一部モノ取りもいるけど、先進国にされてきた背景を考えるとそうしたくなる気持ちも理解できなくはない。

私たちは生まれた時からそういう世界に荷担している。直接やっていなくても、傍観していれば同じこと。

そういういう自覚をもってして途上国に住めば、言葉が伝わらなくても気持ちはちゃんと相手に伝わる。そうすると、こっちの近所付き合いみたいになる。国が変わっても民族が違っても、結局魂と魂で繋がればあまり違いがない。多分、コニーサン達やエンジェル達と意思疎通が出来るのも同じで、そこは種を超越してやっていけるものだと思う。

孤独だという人がいるけど、自分の周りに万物は数えきれないくらい存在していて、俯瞰的に自己を視るなら、自分の皮膚常在菌や腸内細菌、細胞一つにしても、共生してくれている生物なわけで、目に見えないだけで助け合って生きている。外に出れば鳥もいて昆虫もいて、植物のおかげで空気も浄化されたりして、どれだけの存在が大切かわからないほど。

だから万物に愛を持って生きないと、実際には「一人」で生きてはいないニンゲンは絶滅に向かう。

人間は優位な生物でも高等生物でもなく、単なる生物の一種。エンジェルにも喜びや悲しみは在り、彼らも何かしら互いに話をしている。もし生物にすべて人間同様意識がしっかりあるとしたなら、カブトガニは死ぬ間際まで人間に青い血を抜かれ、鶏は羽も広げられず卵だけ産まされ、豚は生まれて半年で出荷され、何を想うのだろう。

このニンゲンという生物は一体…

自分も同じ、荷担し続けたニンゲン。

二度とニンゲンなんかに転生したくない理由。

万物に愛を

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