変容

都会の中に生きていたため、不自然なアスファルトの道や、おしつけの知識や、光化学スモッグなどの空気にやられて人間本来の感覚器が潰されないようにと、幼少期から脳内でイメージしてきました。

祖母が遠隔で見たことのない情景を伝えられる人だったというのも一つの理由です。シックスセンスに長けた母方の身内の話を日常的に聴いていると、ネズミが火事の前に逃げ出す感覚は容易に理解できました。

動物として本来持てるものを自分たちで潰していくのが人間なのだと、大人たちを見てなんとなく感じていました。

そのため、便利な生活をしすぎて思考力が低下しないようにとか、サプリなど服用して細胞が本来出してくれる物質を人工的なものに置き換えないようにというくらいは、たいして勉強しなくても生き物から学ぶことができました。

レイチェル・カーソンのセンス・オブ・ワンダーは納得できる意見だと思います。

親は下手をすると子どもの持てる素晴らしい感性を潰してしまいます。恐怖心から「皆と同じ」を選択してしまいます。「おしつけの教育」に抵抗する、所謂一般的な勉強が向いていない子どもにまで「塾」や「家庭教師」をあてがい、殆どの子どもが「皆と同じ」でないと生きていけないと思い込みます。そしてそれらは「就活」にまで通じているように思うのです。

これらは五感と第六感が失われていく様にも見えてしまう光景でした。

けれども、都心でこの五感や第六感を研ぎ澄ませるのはいささか努力が要りました。

 

参考:丁寧に暮らす  丁寧に暮らす2 丁寧に暮らす3

 

無人島で一人生き抜けるような強さ 

を人生の目標としたのが良かったと思うのは、折れない心をつくるだけでなく、感覚器が潰れないようにすることにも大いに役立ってくれたからです。これを決めてから、かれこれ40年くらい経ちましたが、今後もこの目標を変えるつもりはありません。

ただ、都心でずっとそれを継続していく不自然さに疲弊し「無人島に行ってしまいたい・・・・・・」と何度となく「消えたい症候群」にみまわれました。出産していなければきっと今頃ここにはいなかったと思います。

誰かの創ったシステムの中で洗脳されたふりをしながら、妥協の連続で生きている現状があるからこそ、選択できるものはとことん選択していきたいと考え、最大の譲歩案として「家族と共に移住」することを提案したわけです。

老後の資金を考えながら、あるかどうかもわからない未来を憂うよりも、本来は毎日が生死の瀬戸際だと理解して明日死ぬかもしれないいまを生き切ることが賢明ではないかと感じています。

 

そう思って決めた場所―

此処にきてすぐに気づいたことがあります。

なんだか今までと感覚が違うのです。

 

●運動

できるだけ地産地消に貢献したいと、村の野菜や果物、米、卵を食べています。水も変わりました。空気は全くちがいます。土の匂いがします。景色にストレスがないので、買い物に往復3時間かかっても苦になりません。都会でもかなり歩いていましたが、気づけば自転車をおりて歩いています。

●味覚

格段にUPしたように感じます。ここに来るまでは感じなかった微妙な味の差異を感じるようになりました。「美味しい」「美味しくない」を細分化して検証できるような感覚です。「美味しい」の感覚が数段階にわかれ、口にするものにきちんと満足感を得ることが出来ています。

●食欲

朝ごはんしか食べる気がなくそれをメインにしていましたが、もう1食くらい何か食べたいと思うようになりました。引越で3度こちらに荷物を運んだ時もやたらと食欲があったのですが、もう10代の頃から感じたことのない感覚でした。

●睡眠

相変わらず朝は4時起きなので、睡眠時間自体は長くはないのですが、よい眠りを得ています。

●声

声のトーンが変わっています。セミナーでマイクを持った時に出るような、リラックスした落ち着いたトーンの声が出やすくなっています。

●ストレス

激減しました。人々がとても優しいのは、歴史と、フィジーと同様、肥えた土地のせいでしょう。

バラに水をやっても誰にも文句も言われないですし、一歩外に出れば、風景は美しく癒しでしかありません。価値観の違いはアフリカに行ってもアマゾンに行っても、ホモサピエンスと関与する限りあるものなので想定の範囲内なら問題ないでしょう。

●嗅覚

嗅覚に関してはアロマ歴が長いので敏感な方ですが、土の匂いと空気感がよくて自然に笑みがこぼれます。

 

これらはもしかしたら、今まで真っ白な空気を肺にいれて病にならないよう浄化しなければならなかったことや、不自然な街の臭いに対する眉間の皺や、動植物を「汚い」と捉える人々の価値観に対する哀しみや、消費者心理を読んで騙すような食品の中からできるだけ安全なものを選び取らなければいけない日々の苦労や、自分で緑の場所を造らなければならなかったようなストレスにエネルギーを使う必要がなくなり、きちんと栄養素が身体のために使われているからかもしれません。だから感覚器の機能がアップしたのではないかと思うのです。

ということは、シックスセンスもアップするのかもしれませんね。

出会う人が素晴らしいのです。我が家に入って来る人達が皆愛すべき人ばかりなのです。

自分の波長が落ち着いて何かに下げられなくなりました。ですから出会う人の波長も自分ととても合っているのだと思います。人間は時と共に進化し変化する生き物です。此処に来たことで私はやっとまた一段階上に上がれたのだと思います。

感謝の気持ちが溢れています。さらに健康になってしまいそうです。

 

 

今日も皆さんありがとう。

 

 

 

 

 

 

 

 

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