随筆 101

毎年、この季節は特に幸せな気分で過ごすことができる。

とうの昔の記憶になるが、誰かに恋をした時の、あの感情に似ている。

空が青く見え、そよぐ風に笑みがこぼれ、イヤな人間が少々悪態をついても、軽くうけ流すことができる。

多分どんな人も幸福であれば、そうして平和的に命の時間を費やせるものなだろう。

心が幸福でないと、ブレーンを増やしたがったり、物欲や金銭欲で心を満たそうとしたり、SEXに依存したり、弱者や、時に我が子さえもコントロールしたがるのだろう。

だからこそ、そういった行動に出てしまいそうなときには、自分の心が幸福である状態にするために命の時間を使うべきであると私は思う。

私はいつも、自分の優先順位を頭の中で把握している。

現在一つ目が叶わない場合は二つ目を。

二つ目が叶わない場合は三つ目を遂行する。

そうして十程度の自分の優先順位を常々持っていれば、どんな人といてもどこにいても、心のバランスは保つことができる。

コニーサンもいない今、私をこの最高な気分にしてくれるのはもっぱらバラなのだ。

14年無農薬無化学肥料で共に生きてきたオールドローズたち。

園芸の最高峰と云われるオールドローズを無農薬で育てることができたら、どんな植物も大抵は大丈夫だろうと考えた。

 

堆肥はベランダの一角で作り、コニーサン達の糞も使った。彼ら11匹の身体はすべて私と共生しているバラやイチゴやマルベリーにかわった。

シェリーもいずれそうなる。

今は庭があるし、畑仕事も始めた。苺も畑に移植したので、とてものびのびしている。耕作放棄地だったため、数年間農薬も化学肥料も使われておらず、草抜きは大変だったがかえってありがたい。都会のベランダで100種栽培していた時よりは、随分と育てるのも楽になった。農業が初めてでも土の声は聴くことはできる。20年近く彼らとベランダで対峙してきた経験は、案外無駄になっていないと感じる。

今年はまた、4種のオールドローズを庭の仲間に加えることにした。

ニンゲンと同じように、薬剤を使用しないことで、土の微生物や菌を増やし3年ほどかけて自然治癒力を高めていく。ニンゲンでいうなら、土は腸内細菌。抗生物質で有用な菌を殺せば当然病に罹患しやすくなるのと同様、土に与えるのは出来るだけ微生物たちの好きなもの。栄養バランスはそこに育つ植物、つまり私たちでいう身体を見ていればわかる。

自然治癒力が高まれば、病気になることが少ない。強剪定をしてもしっかりとステムをのばして復活してくれる。

永く植物と共に暮らしてきた私は、動物だけでなく、地球の仲間と生きている感覚が常にある。ココとコニーサン達と暮らしたおかげで、言葉がなくても通じ合う生命の意識のようなものにも敏感になった。彼らから学んだものは晩年の私の人生で最大の自然の叡智として貢献してくれるだろう。

 

ニンゲンは考えることができる生き物である。実際は植物も含め、意識あるすべての生物が考えている可能性が高い。

私はニンゲンとして考えられるからこそ、地球の仲間を金のためだけに殺戮するような野蛮な生き物にはなり下がりたくない。

自分や仲間の命を狙ってこないものに関しては、むやみに殺さないように努めている。

生きるために殺すなら、出来る限り自分の手で育て、殺したい。

ニンゲンだけが、地球を区切って自分のモノだと言い張るおかしな生き物なので、時に殺し殺され合う。好きな所へ行き、好きなものを食べ、戸籍を削除することもかなわないが、「誰かの創ったお話」であるシステムを利用しつつ、生き方の優先度の高い、自己完結能力を高める方法を死ぬまで模索し続けたいと思う。

ハムスターもシェリーもバラたちも土もとても美しい。

私はいつも美しい生き物と共生して、まるで天国に住んでいるようなのだ。

 

今日も皆さんありがとう。

 

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